四国の中心部にある大歩危（オオボケ）・小歩危（コボケ）は、大股で歩いても小股で歩いても危険ということから名が付いたほど急峻な山々に囲まれています。
このお茶が作られた祖谷村は標高の高低差が非常に大きく、200〜700Mの中に集落や畑が点在しています。
三波川変成帯の吉野川下部層群の支流に位置する大歩危小歩危は、結晶片岩が至る所に露出している地質です。
ダイナミックな断層を利用した畑は場所によっては斜度40度を超える急峻な場所もあり、 この地形・地質・土壌を利用した農業は、「にし阿波の傾斜地農耕システム」としてユネスコの世界遺産に認定されています。
古くから、銘茶の産地として近隣の地域では知られていましたが、傾斜の非常にきつい山間地ゆえ高齢化に伴い現在は生産者も激減し、あまり全国的には知られていない産地です。
吉野川の清涼な水質とミネラル成分を豊富に含んだ地質から作られるお葉は、余韻の心地よい爽やかな味わいと深い香味があります。
加えて今年のお茶は自然に萎凋したことによる花香が感じられます。
品種：やぶきた
来歴： 静岡県の在来種から杉山彦三郎翁が明治の末期から 大正年間にかけて選抜 登録年 1953年。
品種特徴：総合的に優れた品質の品種で、甘みのある濃厚な滋味と優雅な香気が特徴。国内で一番栽培されている品種。
生産者：中本 忠
生産地：徳島県 三好市 西祖谷
標高：約250ｍ
土壌：結晶片岩礫質
栽培：畝仕立て（樹齢 約45年）
農法：慣行農法（無農薬 有機肥料主体）
摘採：可搬式摘採機（一人用） 年間摘採回数１回
製法：煎茶［蒸し度：普通（標準）］
製茶ライン：60kgライン
製茶期間：2021年4月26日
※ 未記入の箇所は、分かり次第更新していく予定です。
